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「お土産のうなぎパイ」は英語で?

Writer's picture: Aya OsugiAya Osugi

これは、私が数年前にリヴァプールでAirbnbを利用して、一般的な家に滞在していた時の話です。いろいろとお話を聞きたかったのもあって、私の出身地、浜松の銘菓である「うなぎパイ」を持参していました。


その時、私はこのように言ったと思います。

「This is a souvenir from my hometown, eel's pie.」


日本語にすると「これ、私の故郷のお土産の、うなぎのパイです。」と言ったつもりでした。しかし、Airbnbのホストのリアクションは私が想像したものとは違いました。何を言ったのか通じていないような表情をしていました。そのホストはずっとフレンドリーで、そこにある紅茶とお菓子は自由に取っていいと言ってくれました。しかし、一向にうなぎパイは開けてもらえずに置かれていました。当時の私は、「うなぎのパイだなんてイギリスでは受け入れられないのかな、うなぎパイは紅茶にも合うし、うなぎの味がするわけでもないのに。souvenirやeelの発音も悪かったのかもしれないな」と思っていました。


実はこの英語の一言には多くの日本人が勘違いしている問題がありました。日本語で「お土産」というと、旅先で誰かに買っていくその土地のものや、訪問時に持参するものです。食べ物や置物、いろいろなものを含みます。しかし英語で「souvenir」というと、旅先の記念品など、置いて飾るようなものを指します。同じお土産という言葉にはなっても、日本語のお土産という意味と英語のsouvenirがもつ意味の広さが違ったのです。そのため、私が渡したものは、食べるものという想定がされていませんでした。うなぎの置物を食べようとしないのも頷けるでしょう。


さらにいうと「eel's pie」にも問題がありました。うなぎパイはうなぎのパイだからと、安易な考えでeel'sと「~の」を意味になるように、「's」をつけましたが、これではうなぎが所有するパイ、もしくは、うなぎが作ったパイのような印象になってしまいます。pieもアップルパイやミートパイのような、中身があってパイの生地に包まれているものを指す言葉です。日本語のパイは、それだけでなく、うなぎパイなどのさくさくした焼き菓子を含んでいます。英語ではこういったお菓子をpieと言うことはなく、この場合はうなぎのエキスが入っているだけなのでpuff pastry snack with eelなどと表現し、さらに説明を加える必要があります。


このように、よく使う言葉でも、日本語と英語で意味の広さが違うことがあります。訳した言葉をそのまま当てはめるだけでは、同じ意味を表すとは限らないのです。


グローバライズコンサルティング合同会社では、英語ネイティブで日本語とのバイリンガルでもあるプロのコンサルタントが、英語圏での実際の感覚や、文化・習慣の違いを踏まえて、海外事業やローカライズに関するさまざまなサポートを提供しています。お気軽にお問い合わせください。

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