先日はかぎカッコと引用符の違いを記事に書きましたが、今回も記号の意味の違いを取り上げようと思います。
英文で使われる*(アスタリスク)という記号は、日本語の※(コメマーク・米印)に似ているからか、日本で作成された英語版ホームページでは※と同じように使われているケースを多く見かけます。
日本語の※は、注意書きや、本文に書いていないことを追加する時、あるいは箇条書きの時に使われることもあり、文書作成でなにかと便利な記号です。しかし英文での*は、厳密な使い方が決められています。結論から言うと、※は*と同じ使い方はできないのです。
英文での*は、本文でなにか特別に解説を加える必要がある部分に置き、欄外にも同じように*を置いて連携させ、本文のその部分に対する注釈や解説を加えるという機能があります。
下記はそれぞれの使い方の例です。
■アスタリスクの使用例

■コメマークの使用例

つまり、日本語の※のように、但し書きなどで*を使用することはできません。
日本語の※と同じように英文で*を使ってしまうと、英語ネイティブの読み手は、英語での*の使い方のルールに従って読むので、それが本文中のどこかを説明していると解釈します。そして「この*は本文中のどの部分の解説にあたるのか?」と考え、実際には無い*を探して本文を読み返すなど、混乱してしまうのです。
日本で生活したことのある英語ネイティブであれば、「この*は、日本人ライターが日本語の※と同じ使い方をしたんだな」ということがもしかしたらわかるかも知れませんが、英語のホームページはそもそも、日本語がわからない人が読むためのものです。
英語でメッセージを発信する時に、相手が日本を知っているという前提で書くことは、まったく意味がありません。相手が理解できる書き方をしないと理解してもらえない、ということは、日本語のコミュニケーションでも同じですよね。
「日本人は相手の気持ちを思いやることができる」ということが本当なのであれば、外国人相手のビジネスでも、相手が理解できるように伝える努力をするはずです。「この会社は外国人に理解してもらおうという努力をしていないんだな」ということが外国人に伝わってしまうと、どんなに素敵なサービスや商品でも、海外マーケットでは絶対に成功しません。
グローバライズコンサルティング合同会社では、英語圏での実際の感覚や「文化・習慣の違い」を踏まえて、海外事業やローカライズに関して長年の実績を持つプロのコンサルタントがサポートします。お気軽にお問い合わせください。
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