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日本語の感覚のまま英語に翻訳してしまうと、こんなことも…。

Kaz Hattori


この画像の英文を読むと、まず"isdealing"が気になりますね。本来スペースが必要な場所に、スペースがありません。日本語はスペースを必要としない言語なので、英語で馴染みのない単語を書く時にスペースを入れ忘れたり、その逆に不要なスペースを入れてしまったりすることは、よくある間違いかも知れません。しかしやはり大勢の人が目にする看板では、最低限のチェックは欲しいところですね。


さて、実はこの画像で注目したいのはそこではなく、その後ろの"deal with"と"Medicine"という表現です。

"deal with"という表現は高校英語あたりで学習するはずなので、日本人の英語学習者には比較的よく知られているかも知れません。この画像の日本語を見ると「薬品類を販売しています」とのことなので、小売店っぽく言うならば「薬を取り扱っています」となるでしょうか。ここでは日本語でのその感覚のまま、「取り扱う」を直訳して"deal with"という表現にしたようですが、実はこの表現には、どちらかと言うと「取引」のような意味合いがあります。


そもそもですが、英語圏の感覚では、物を売る時にお客さんに対して謙遜するような言い方をすることはあまり一般的ではありません。「~を売っています」と言いたいのであればそのまま"sell"を使えば良いし、単に"have"を使って「~があります」とだけ書いてあったとしても、ここは失礼な店だなとは誰も思いません。日本語の感覚のまま同じように英語で表そうとしたことが原因で、違和感を覚える英語表現となってしまっているようです。


さらに良くないことには、"deal with"の後に"Medicine"が続くことで、実は非常に意味ありげで怪しい印象をも与えてしまっているのです。


英語では通常、単語を大文字で書き始めると、固有名詞や、大声を表している様子、または何らかの意味があって強調している、と解釈されます。

"Medicine"と書かれた場合、そういう名前の薬か、またはそういうブランド名があると思われるか、あるいは「何か意味があるからあえて強調している」と捉えられます。強調している対象が「薬」なわけですから、「まさかあの…?例のいけないクスリ?」という連想にもつながりかねません。


日本人にとっては常識ですが、日本では麻薬に準ずると決められた薬品等は許可がないと売買・所持はできません。しかし日本に来る外国人すべてが、そのことをきちんと理解しているとは限りません。この画像が海外で人の目に触れると、「日本でもあのクスリが売ってる店があるのか、非合法とは聞いていたけど、実際は買えるのかも知れないな」などと思われてしまう可能性すらあるのです。実際にはそこまでは思われないとしても、少なくとも「変な英語で書かれていておかしいな」と笑われるに違いありません。


結果として、この"Our shop is dealing with Medicine."という文は「当店では薬(ヤク)の取引をしています」というような意味で解釈され、英語ネイティブにとっては非常に混乱する表現となっています。ネイティブによるチェックがいかに重要であるか、お分かりいただけるのではないでしょうか。


グローバライズコンサルティング合同会社では、こういった「文化・習慣の違い」を踏まえて、海外事業やローカライズに関して長年の実績を持つプロのコンサルタントが的確にサポートしています。お気軽にお問い合わせください。


 

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